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2012年07月 『母親の愛情』
子供の頃の私は、家の外では天下無敵の悪がきでした。
家の中では、ごく普通の子供を演じていました。何故なら父親が怖かったからです。その分、外で発散していたのかも知れません。

ある日自宅に帰ると中学の先生が、何やら母親と話しているではありませんか。 母は小さく肩をすぼめて申し訳なさそうに見えます。

「なんで先生居るの?家にまで来なくてもいいのに…あのことかなぁ???親父居なくてよかった。ばれたらどうしよう…」と心の中でつぶやきました。

その後何日かして、父親と文房具を手土産(!?)に「迷惑をかけた生徒の家を回っていく」謝りまわりをしました。とんでもなく恥ずかしかったのを思い出します。

それから10年後、私が結婚して母親から当時の話を聞かされたのです。

「しっかり聞きなさいよ。当時の中学校の先生はあなたのことをボロカスに言うてたよ。とんでもない人物のようにね。お母さんはあの時、一言も先生に意見を言わなかったけれど心の中では、そんなに息子のこと悪く言わなくても、と腹立たしく感じていたのだよ。」と。

それを聞いた私は驚きました。
何故なら悪いのは間違いなく自分でしたし、何よりも間違いなく母親も、とんでもなく悪い息子だと感じていたに違いないと思っていたからです。

私は10年以上経ってから、初めて母の本心を聞かされたのです。
そして母親の子供に対する愛情の深さと不思議さとありがたさを、心が熱くなるような気持ちを感じたのでした。
我が子がたとえどのような悪行を犯しても、親は子供の味方。

ありがとう。

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